ヨシムラのApe100用パワーアップキット装着の続きです。前回、ST-1カムシャフトを装着しましたが、今回はキャブレターとハイスロキットを付けていこうと思います。
次なるパワーアップに向けて
4miniカスタムにハマっていくと、パワーアップのためにはキャブレター交換が必須となります。
これまで京浜のPD22を装着していましたが、次なるステップとしてはより口径の大きい(燃料を多く噴射できる)キャブレターへの交換を検討したいところです。
「ヨシムラのキャブは凄い」というイメージばかりが先行してしまい、何が凄いのか実はあまり良くわかっていなかったので、装着の前にちょっとお勉強しました。
ヨシムラの大発明・MJN(ちょっと勉強編)
キャブレターはエンジンの燃焼室に向けてガソリンと空気を送り込む「混合燃料噴射装置」です。
最近のバイクは「FI(フューエルインジェクション)」という、コンピューター制御の燃料噴射装置を用いて最適な量の燃料を自動的に供給する機構を搭載していますが、Ape50後期型にFIが採用されるまで、4miniはキャブレターを装備したバイクしかありませんでした。
これまで使用していた京浜のPD22キャブレターは、テーパーの付いた針のような棒(ジェットニードル)を燃料が供給される穴から抜き差しして吐出量を調節しています(下図右側)。
それに対して、ヨシムラのMJN(マルチプルジェットノズル)はニードル自体がストロー状の筒になっていて、筒の周囲に燃料を吐き出す穴が空いているという造り(下図左側)になっています。
図のように、ニードル式だとアクセル開度による燃料の吐出量にムラが出やすくなりますが、MJNは急激にスロットルを開けた場合でもノズルから開度に応じた適正な量の燃料が供給されるため、スムーズな加速が得られます。
また、細かい穴から霧状の燃料が吐出されるため、空気と良く混ざって燃焼しやすい状態になり、パワーアップと燃費の向上に繋がるのです。
いざ、装着。
色々言ってみても実際使ってみないとわからないでしょ、ということで、早速取り付けにかかります。といってもキャブの交換はPD22の時にマスター済みなので、チャチャっと交換できました。
パワーアップキットには必要なパーツが全て付属していたので、説明書を見ながら作業すれば難しいことはありません。
今回はセッティングが簡単にできるように、エアスクリューとアイドリングスクリューをヨシムラ製のラージアジャストスクリューに交換しています。
更に、同じくパワーアップキットに入っているハイスロキットを付けました。スロットルワイヤーは専用品ですし、これまで使用していたPOSHのハイスロットルコーンと比較して巻取り量が段違いです。アルミのカバーが高級感を感じさせる、見た目にも満足な逸品です。
ヨシムラキャブ~その実力
装着が完了したらもう我慢できません。早速始動すると、「ブオオオン!」という音とともに力強くエンジンが掛かりました。アイドリングも安定しています。
ちょっとスロットルを捻ると、開度に合わせて小気味よくフケます。リニアな反応というのでしょうか、アクセルの開け具合に応じてボコつくことなく回転が付いて来る感じです。
いてもたってもいられず試走してみると、PD22を初めて付けた時と同じく自分のバイクが別物になってしまったかのような錯覚に襲われました。
何より驚いたのは、発進から最高速まで気持ち良くフケ上がっていく完璧なセッティングです。元々Ape100用の製品ですし、推奨するチタンサイクロンマフラーとST-1カムシャフトを取り付けて前提が整った状態ではありましたが、デフォルトのセッティングであっさり走れてしまった事にヨシムラの技術力を感じました。
まとめ・感想
マフラー・カムシャフトも付けているという前提ではありますが、結論としてこのTM-MJN24はノーマルエンジンを積んだApe100に対してはベストアンサーなのではないでしょうか。
使用前は「高性能故にセッティングがシビアなのではないか」と心配していましたが、結果としてそんなことは無かったですし、パワーアップしたのに扱いやすいという、嬉しい誤算もありました。
さらに驚いたのは燃費が良くなったことです。これまでのPD22では36km/ℓでしたが、今回TM-MJN24に変更後の燃費を測ったら46km/ℓでした。パワーアップして燃費向上するという、ちょっと素人には理解し辛い結果が出たのです。
これはMJNの効果で燃料が細かい霧状になって完全燃焼しやすくなって高出力化 + アクセル開度に応じた適量の燃料供給が出来るようになって低燃費化したと考えられます。
多くの人に支持されているヨシムラTM-MJN24ですが、それだけの理由がありました。ちょっと贅沢なパーツかもしれませんが、悩んでいる方がいたら是非導入をおススメしたいパーツです。
※バイクカスタムは手順・方法を誤ると怪我や事故の原因になる可能性があります。実施にあたっては必ず自己責任でお願いします。また、当サイトは不正改造を推奨するものではありません。
当サイトにおいて紹介しているカスタムについては、予め保安基準・交通法規等を確認し法令の範囲内で実現可能な内容で実施していますが、万が一そうでないケースがありましたら是非ご一報ください。よろしくお願いします。
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