Apeのカスタムも、インシュレータ外し → マフラー交換とやってきて、それなりにパワーアップ効果を実感しているところですが、人の欲望は限りないものです。次は噂に聞くキャブレターなるものを交換したいという気持ちが沸々と湧いてきました。その過程をレポートしたいと思います。
キャブレターとは?
キャブレター(以下キャブ)は、ガソリン(燃料)と空気を混合させてエンジンに送り込む燃料供給装置です。エンジンの手前に付いている壺のようなパーツがそれです。
Ape純正の場合、サイドカバーの内側にエアクリーナーボックスがあり、そこから空気を取り込みます。燃料タンクから供給されるガソリンと空気を内部で混ぜ、エンジンに送り込む(実際はエンジンに「吸われる」感じ?)のがキャブの役目です。
吸排気のバランスこそがパワーアップのキモ!
前回、マフラーをヨシムラのチタンサイクロンに変更したため、排気効率が上がりました。それだけでパワーアップに繋がったのですが、逆に言うと排気側に余裕ができたわけです。じゃあその分吸気側も増やしてやれば更にパワーアップできるぞ!というのが今回の目標です。
ただ、ここで「吸排気のキャパを上げていくと、ゆくゆくはパワーアップのためにエンジンも大きく(ボアアップ)することになるのでは・・・」ということに気付きました。4miniカスタムの諸先輩方がボアアップに手を出すのはこういう流れなんですね。
これもまた「4mini地獄」の一例です。。。
CRF100・NSF100の純正キャブ、PD22
Ape100のエンジンはオフロードモデルのCRF100、レーサーのNSF100と同型なのですが、諸元表を見ると、馬力についてはCRF100F(2003年モデル)が9.8psなのに対し、Ape100は7.0psと大分抑えられています。
この差を生んでいるのがキャブで、CRF100純正は22φなのに対してApe100純正は18φとなっており、ここでもパワーを意図的にダウンさせているのです。
今回はネットオークションでCRF100純正のキャブである京浜(KEIHIN)のPD22(SP武川製)を入手したので、それを付けて本来の力を取り戻そうと思います。
キャブ交換の前に・・・ダクト交換
PD22を入手した際に、おまけでCRF100のダクトが付いてきました。それまでダクトというモノの存在すら知りませんでしたが、簡単に言えばエアクリーナーボックスの空気取入れ口です。
ただ、Apeの場合、これまた制限されているのでした。。。
上の写真がApeのシートを外したところです。黄色い枠の部分が純正ダクト(通称:豚バナ)です。
純正ダクトを外すと、吸入口がパックリ開いているのですが、実は純正ダクトはこの吸入口を半分以上塞ぐような造りになっているため(黄色枠線部分は実質使われていない)、吸入可能な空気の量が半分に絞られているのです。
ダクトを外してやるだけで吸入効率は格段にアップすると思いますが、今回はCRF100のダクトがあるのでそいつを付けてやります。
CRFのダクトを取り付けてみたところ、前方に伸びているのでレクチファイアに干渉してしまいました。そのため、レクチファイアの固定ボルトを緩め、逃げるように45度回転させました。
PD22装着! しかし・・・
ようやくキャブ交換作業に入ります。これも初めてなので大変緊張します。
まず、シートとタンクを外します。いずれも固定しているボルトを外すだけで可能です。そしてキャブはエアクリーナーボックスから繋がるコネクティングチューブ、エンジンに繋がるマニホールドを外してやると取り外しが可能です。
そして、コネクティングチューブを純正から武川製のものに付け替えます。
そしてマニホールドをエンジン側に固定し、キャブを取り付け、コネクティングチューブに繋ぎます(実はこの前にスロットルワイヤーを純正品から付け替えましたが、写真を撮り忘れました・・・)。
これで付け替え完了です。
早速エンジンを掛けようとしたのですが、プスンと落ちてしまって掛からない・・・。
この後、何度も何度もキックしたり、スロットルを捻ったり、チョークを引いてみたりしたのですが、全然ダメでした。
結局、時間が無くなってしまい、ともかく乗れる状態にはしておこうと、慌てて純正キャブに戻したところで終了となりました。
とりあえずキャブ調整
翌日、ちょっと買い物に行こうとApeで走り出したところ、やけにエンジンが回る、というか唸る感じの音になり、たまにパンパンと乾いた爆発音もするようになってしまいました。
調べてみると、これはどうやら「薄い」状態のようです。
吸気の効率が上がったことで、空気と燃料の比率(空燃比)が変わり、燃料が少ない(=空気が多い=薄い)状態になったということですね。
ということなので、早速ジェットを変更してみました。ちょっと前に用意しておいたんだよね~。
ジェットの交換方法は、
①燃料コックをOFFにする
②フロートチャンバーに残ったガソリンをドレンホースから排出する
③フロートチャンバーを開けジェットを交換する
といった流れになります。ドレンホースから出てくるガソリンは危ないし勿体ないので、ちゃんとペットボトル等で受けてガソリンタンクに戻しましょう。
今回は手始めに純正キャブのメインジェットをノーマルの#72から#85にしてみました。試走してみるとこれがドンピシャだったようで、エンジンは下から上までグワーンと回り、あまりのスムーズさに拍子抜けするほど簡単にパワーアップが出来てしまいました。
今回、プラグの焼け具合を見たりするようなセッティングはしていませんが、また走ってみて動きがギクシャクするようならじっくり取り組んでみようと思います。
まとめ・感想
今回はエアクリーナーダクトの交換とキャブ交換・・・の予定でしたが、キャブ調整になってしまいました。
内容としては不完全燃焼でしたが、キャブ交換作業を行うことで内部の仕組みを目で見て触って学ぶことが出来たので良かったです。スロットルを捻るとなぜエンジンが回るのか、そんな基本的な仕組みについて理解が深まりました。
思わぬトラブルで先延ばしになってしまいましたが、ダクト交換とジェット交換だけでパワーアップが実現できたので、PD22へ交換するまでの期待感がグッと高まりました。
※バイクカスタムは手順・方法を誤ると怪我や事故の原因になる可能性があります。実施にあたっては必ず自己責任でお願いします。また、当サイトは不正改造を推奨するものではありません。
当サイトにおいて紹介しているカスタムについては、予め保安基準・交通法規等を確認し法令の範囲内で実現可能な内容で実施していますが、万が一そうでないケースがありましたら是非ご一報ください。よろしくお願いします。
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